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CSR情報

安全・衛生への取り組み

セントラルエンジニアリングでは、社員の体の健康、心の健康づくりの取組の中で、産業医の平野先生に大変ご尽力いただいております。
今回は、産業医の役割や、先生の目から見た当社の取組等についていろいろとお話をお伺いさせていただきました。

産業医インタビュー

平野雄(ヒラノタケシ)先生
医学博士
昭和32年10月浜松市生まれ
昭和61年産業医科大学・医学部・医学科 卒業
鎌倉女子大学教授、日本臨床栄養学会指導医

Q. 平野先生は産業医として、どういう活動をされていますか。
A.

平野:産業医は企業で働く従業員が健康で安全に働けるような環境づくりや、もちろん身体的なことも含めて、モニタリングやチェック、問題点を見つけながら解決していきます。企業の経営がうまくいくというよりも、あくまで従業員の健康管理に重きを置いています。一般の医師の診察と違うのは、病気を診断するわけではなく、問題点を探して、解決策を見つけて、より良い労働環境を作っていくのが産業医の仕事です。
「こういう病気ですね。」で終わりではありません。
診断や治療は病院に任せればよくて、産業医がすべきことはその道筋をつけることであり、産業医が治療することはありません。 受診が必要なら受診を進めます。また環境の面でも、従業員の方が身体的に働きやすく、働けるようにということで環境整備を行う事も大切です。

Q. どういう職場でどういう仕事をしているか、社員の話や悩みなどを聞くという事が主体なのですね。
A.

平野:診察をするわけではないので、社員の方に会う時も聴診器を持っていきません。診察が必要だと判断すれば、「医療機関に行ってください」と言って、医療機関を受診してもらいます。

Q. メンタル的なことが主軸になりますか。
A.

平野:今はそうですね。職場によって違いますが、私が産業医科大学の学生だった頃は、むしろ産業医は危険なものや人体に有害な物質を扱う場所で働く人の健康を守るにはどうすればいいか、粉塵や騒音など、その環境が働く人に与える影響に主軸を置いて教育を受けていました。
ですが、今はメンタル面が社会的な問題にもなっていて、メンタルで自殺したりといった事がニュースになっています。「有害職場の課題」から「メンタル面の課題」に重点が移ってきていると言えます。
ただ、決してメンタルだけではなくて、本来の有害職場や職場の環境の整備が重要である事に変わりはありません。

Q. セントラルエンジニアリングについて、職場環境を整備するためのアドバイスはありますか。
A.

平野:セントラルエンジニアリングの中では現状、主にメンタル面の課題対応が多く、産業医としては、面談者の職場の様子も観てみたいのですが、現実には難しくて実現できていません。
2015年からストレスチェックも新しく始まり、そういった面での対応がメインになりますが、これらが片付いたら職場巡視をしようかと。

Q. メンタル面での相談が多いという事ですが、例えばどんな相談がありますか。
A.

平野:無断欠勤をしてしまって派遣先に迷惑をかけているとか、遅刻が多いとか、本当に仕事に行けないとか。
現場の方や周りの方からであったり、場合によっては、本人自身から直接ちょっとおかしいから相談したいということもあります。
本当にケースバイケースです。面談に至る経緯は、遅刻や欠勤が多いというケースが多いですね。

Q. きっかけは本人ではなく、上長や営業を統括している方から相談があってということでしょうか。
A.

平野:そうですね。あと、最近始めている事ですが、勤務時間が長い人に問診に答えてもらって、それを私がチェックして、この人仕事がきつそうだから面談しましょうという事もあります。
今のところ面談に至った例はありませんが、長時間労働の方の問診票に従って面談することは今後あるかもしれません。

Q. 先ほどの無断欠勤・遅刻が多い方と面談をされているという事ですが、その時の相談内容やご本人の反応などはどうでしょうか。
A.

平野:相談で一番多いのが人間関係です。職場でうまくコミュニケーションがとれない。
特に職場の誰誰が苦手で仕事がうまくできない、職場を変わりたいという相談が多いです。ただ原因がいつも分かるわけではなく、「なんでだろうね?」という人もいたりします。
原因が分かればそれを解決すればよいのですが、原因が分からない人も結構います。
産業医としては辛いところで、1時間顔を合わせるだけでは分からないことがあるのも正直なところです。

Q. 原因が分からなくても、話をすることで本人の気持ちが改善されることはありますか。
A.

平野:それは結構あるみたいです。1回面談して、その後2回3回する人もいますが、2回目以降は本人から面談を希望してくることもあります。
私と面談して少し気が紛れてストレスが緩和されるのかな。話を聞いてもらえるのはいい事だと思います。

Q. エンジニアの方の働き方として派遣先や受託先に行って仕事をする、言ってみれば違う地に行って仕事をしているケースが多いと思いますが、その影響はありそうですか。
A.

平野:これまでのケースの中では、遠くに行ったから、そこが嫌で、というのはないわけではありませんが、それが多いとも言えません。土地がどうって話はあまり聞かないですね。

Q. 距離だけではなくて、相手先の企業で仕事をしていることは影響していますか。
A.

平野:派遣先が嫌だということはよくあります。上司との関係や、本来自分がしたいと思っていた仕事ではないという訴えもあります。例えば、飛行機がやりたかったのに自動車に行ってしまったなど結構多いです。
仕事が自分の希望していることとマッチすることの方が少ない。マッチしないけどどれだけ折り合いつけていくかというのが大事なのですが、折り合いをつけられない人が面談に至ることが多いようです。

Q. 自分のやりたいことと違うという方へのアドバイスはありますか。
A.

平野:その時はどうしたいのか聞きます。変わりたいとはっきり言う場合は派遣先を変更した方がいいですね、と報告書に書きます。ただ報告書に書いていいかと聞くと「ちょっと待って」という場合も多い。
面談で変わりたいと言うので、じゃあまとめるけど、あなたは変わりたいのね、私が報告書に書くと本当に変わってしまうけどいいのね、と聞くと、いや、変わりたいけど今はちょっと、という場合もあります。まあ、変わりたいと思っている人は多いようです。また、そういう人が面談に至るわけです。

Q. 「変わりたいけどちょっと待って」という人は前向きな反応ですか。例えば希望した職場ではないけどもう少しここで頑張ってみようとか。
A.

平野:前向きではないと思います。前向きに考えられる人は面談には来ません。
今動いたら何を言われるか分からないとか、そういうネガティブな感情で言っていると思います。

Q. そこから我慢して働く(継続する)ということですか。
A.

平野:そう。ただ結論を出さないままで面談を終わると意味がないので、その中でも結論を出さないといけないと思っています。
変わらないなら変わらないままでどうしたらいいかというのを必ず1点でもいいので提案します。
例えば、今の職場で続けたらストレスが続くと思うので医療機関で相談してくださいとか、精神科もしくは心療内科を受信するように指導してください、など。

Q. 相談があって面談をした社員の方々はその間、職場を一旦休むことになるのでしょうか。
A.

平野:いろいろあります。仕事はできているけどちょっと辛いから面談に至るケースもあれば、まったく休んでしまって行けない状態になって面談に至るケースもある。人によって違いますが行けなくなるケースが多いです。

Q. 相談した結果、回復して復帰される方の割合は。
A.

平野:感覚的な数字ですが、何らかの結論を出して、6~7割は復帰して今のところ問題ないといったところかと。
結局辞めてしまう、退社してしまうケースも1割くらいはいるかもしれません。
派遣先を変えて安定している方も含めて、6~7割。あと1割は辞めてしまって、残り2~3割ぐらいが面談を繰り返したり、休職が続いているといったところだと思います。

Q. セントラルエンジニアリングでエンジニアとして働くというのは、産業医の立場から見てどのように映っていますか?
A.

平野:職場環境が派遣先によって変わるので私には分かりません。
セントラルエンジニアリングという事で言えば非常に面倒見がよくて、社員のためを考えている印象です。
セントラルエンジニアリングの環境はやりやすいと思います。私がここに関わるようになってから、私の目で見た限りは良い環境じゃないかと思います。

Q. 例えばそれはどういったことに現れますか。
A.

平野:先ほども言った通り報告書を書くときに報告書を忠実に理解してくれています。
私が派遣先を変えると書けば大体変わっているし、休職させて休養させて実家に帰った方がいいと書けば本当に実家に帰ったりというようにしてくれたり。
会議の中でも一人ひとり問題になった方を始めの方からずっとチェックしながらやりますが、皆、彼はこうだったよねと、よく知っているので、情報をちゃんと共有しているなという印象はあります。

Q. よく見ているということですね。
A.

平野:面接や採用の時から彼はこうだったとかいう話までできるので、名前を言っただけで分かるようです。

Q. 平野先生は他の企業の産業医もされていますか。
A.

平野:企業ではありませんが、医療機関の嘱託産業医はしています。

Q. セントラルエンジニアリングは社員のケアを丁寧に行っている企業でしょうか。
A.

平野:私の知る限りではかなりちゃんとしています。
産業医の扱い方というか、大体多くの企業の嘱託の産業医はただいるだけのことも多いようです。
産業医が悪いのではなく、企業が産業医を求めないケースが多いのだと思います。でも2015年からストレスチェック制度が義務化されたので、産業医にいろいろ関わってもらわないと、ということで色んな話や噂が入ってくるけど、それで少しは産業医の立場を理解してくれるようになったようです。
しかし、衛生委員会はするけど、いてくれればいいというスタンスは直ぐには変わらないのではと思います。なので、ここのセントラルみたい産業医をうまく使ってくれるというか、ある意味尊重してくれるのは珍しいと思います。

Q. 社内システムで産業医レターを書かれているとお聞きしました。産業医レターの役割は社員の方の健康意識を向上させるためでしょうか。
A.

平野:それもないこともないのですが、健康情報はいま巷に溢れています。
なので、そういう情報を出しても情報としての価値はありません。知りたいと思えばインターネットで調べられますので、わざわざレターを書く必要はありません。
では、目的は何かというと、私という存在がいますよと。それが当初の目的です。産業医がいるんだと。そういう人が身近にいるということを知ってもらうために毎月書いています。それが一番大事で、産業医がいるかいないか知らない人も多い。産業医って何、誰がやっているのと。
だけど、ここではそうでなくて、産業医がいつもちゃんと来ていて、何か相談したいと思えば、こういう人がいるんだ、ということを知ってもらうのが大事なので、実際ここに来て初めて会う人でも「産業医の先生、いつもレター読んでますよ」と言ってくれるので、効果があるかなと。

Q. 平野先生の立場から社員の方々に伝えたいことはありますか。
A.

平野:それは第一回目の産業医レターにも書きましたが、何でもいい、疑問があれば聞いてくれればいいし、あるいは自分のことではなく家族のこととか聞いてくれてもいいんです。あるいは病院にかかろうと思うけど、その前に本当にかかっていいのかなど気軽に聞いてほしい。
私、今大学で教えていますが、今日も大学の階段で「先生、医者でしょ。ここ痛いんだけど病院行った方がいい?」と学生が聞いてくるが、それは私が医者だと知っているからこそ、してくるわけです。医学に関することで気になっていることがあれば何でも聞いて下さいと。

Q. そういう存在があるということは社員さんにとっては頼もしい限りですね。
A.

平野:そこが大事で、ちょっとした病気だといいが、例えば「がん」とか、発見とか受診するのが遅れることによって重大な結果を招くような状況があるので、それを、今受診すべきかどうか迷っている人がいたとしたら、ちょっと肩をおすようなことをして受診してもらう。その時に産業医にちょっと相談してみて「行け」と言われればおそらく受診してくれる。
そういう役割としてあればいいかなと。

体の不調だけでなくて、職場のちょっとしんどいなとか、人間関係で困るなということも思い悩む前に声をかけてくださいということですね。
安心して気軽に相談できる方がいるって、社員にとってはとても心強いことだと思います。

本日は、お話をお聞かせいただき誠にありがとうございました。

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