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◆機構設計30年、「職人技術者」桐山の思い(出)

投稿者:Gijutsubu |投稿日時: 2017年11月21日

 

私は入社40年目で、現在、技術部第3技術グループで機構設計の仕事を担当しています。今日は、私が機構設計の業務を始めた頃(30年前位)についてお話しします。

 

一口に機構設計と申しあげても様々なジャンルがありますが、私の担当している分野は、特注の通信システム機器の外装品の設計です。

分かり易く言えば、電子機器(プリント基板や制御機器など)を納めている板金製の箱をメインに設計しています。

 

俺の若い頃は、、、、、

 

当時、設計作業ツールとしてのCADがまだ出始めのころで、当社には2次元の機構CADが1台しかありませんでした。設計作業は当然、手書きでした。

設計検討では、先輩から色々と指摘されて、書いては消し、消しては書く、の繰り返しです。

今考えると大変効率が悪く恐ろしいほどの作業量です。

 

また、現在でもそうですが、特注製品という性質上、受注してから納期まで機構設計に与えられる時間は極めて短いです。

加えて試作なしの一発勝負で物づくりを行うというリスクも抱えている業種であると言えます。

設計作業をしている最中に横から別の工事(さらに短納期)が入ってくるケースも多々ありました。そのような時は、通常の調達ルートでは納期に間に合わず、自分が持ち回るという非常手段をとっていました。

( 設計検討⇒部品製作図作成⇒板金加工業者さん⇒塗装業者さん⇒印刷業者さん⇒製造部門へ引き渡し。)

現在のようにデータ渡しで物ができあがるわけもなく、各加工業者の職人さんにひたすら頭をさげながら工程に割り込ませて頂いていました。迷惑な話ですが…。

 

そんな中、工事で、すでに塗装工程に入っているはずの板金部品に図面の寸法ミスに気がつきました。

完全に自分の見落としでした。

すぐに板金加工業者さんに電話したところ、「あー、あれねー、あれじゃ組立できないから直しておいたよ」と救いの一言。

ありがたいことです。

そのままだったら、生まれたての部品がいきなり産業廃棄物になるところでした。

 

本来、「こちらが指示した製作図とおりに作る」が基本であり、今ではあってはならない行為だと思いますが、各業者の職人さんに設計を教示して頂いたおかげで機構設計者として現在の自分が存在できていると思っています。

また、各業種の方とやり取りすることでコミュニケーション能力も向上したと思います。

 

最終的には製品を納品したお客様より「あんな短納期でよく仕上げてくれたね。」「フットワークいいね。」と感謝の言葉を頂き、達成感というより安堵感の方が勝りました。

 

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時代の流れ、、、それでも、、、、


今では、その職人さん達も高齢化により引退されたり、廃業したりで寂しいかぎりです。

現在は、パソコン、3DCAD3Dプリンターの導入など設計をとりまく環境は、著しい変化を遂げています。部品製作側もFA化が進み、近いうちにAI搭載の加工マシンも登場しそうです。

そのような流れから職人不要論さえ出てきていますが、設計を含む特注一品ものを作る現場では、まだまだ必要な存在であると思っています。

 

システム案件では、他社さんも参画しているプロジェクトが多く、システムの整合性をとるために、お客様からの仕様変更要求があります。

このようなものに限って、すでに製造組立後に要求されることが多いです。

大幅な変更であれば、板金を再製作したり、工程をずらしてもらったりすることもありますが、大半は、納期はそのままで対応することになります。

 

変更規模にもよりますが、多少のことは自分が部品加工を行ないます。

削ったり、穴あけを行ったりしますが、昔に色々な加工業者をまわり現場で見た、聞いた、教わった、知識経験が役にたっています。

 

 

無いものは作れ!


特注製品というものは、お客様の仕様・要求に基づいて設計して物づくりを行います。

何もないところから自由な発想で作るわけではありません。

限られた枠組みのなかで、安全性、コスト、納期、を考慮した設計を行います

市販されている筺体、ケースを流用することもありますが、基本的に「無いものは作れ!」という考え方です。

実際に製品を使用、運用していくのは特定のユーザーさんです。

家電製品と違い、一般の方の目にふれることはあまりありませんが、世の中に製品を送り出すという点は同じです。

 

現在、担当しているダムの放流警報システム製品は、河川の安全管理上、重要な設備ですが、台風災害のニュースがあるたびに河川の周囲に暮らしている方が避難できたかどうかが気になります。当たり前のことですが、「正常に機能、動作する」が基本で「すごく良い」と言われることもありませんが、自分の設計したものが正しく機能することが社会の役にたっているのかなぁと実感します

 

昨今、安全に関する基準は厳しさを増し、納期は短くなり、設計検証や説明資料の作成など、設計者の作業量は増え難易度が高くなり苦労が増えました。

ですが、苦労した分、製品が完成した時に得られる感動、達成感は代えがたいものがあります

 

今後は、設計者としての自分の知識経験、仕事の達成感を若い世代に伝えていくことが

責務だと思っています。

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By 桐山

 

 

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Topics: 理系就活