初めまして、私は、入社14年目で、現在某電機メーカで宇宙関連の構造体の設計業務を担当しています。
今日は、これまで担当してきた業務のうち、人工衛星の太陽電池パドル関連の設計、製造(組立)・試験立会作業についてお話します。
人工衛星の太陽電池パドル
この業務は、入社1年目に担当し、太陽電池パドル関連の組立図、部品図の作図、および、それらの製造(組立)と試験立会を行いました。
ここで設計と言っても、特に新しいことはそれ程多くなく、ほとんどが維持設計でした。
ただし、下位の部品が図面どおりに製造されていたとしても、それらの組み立てや、その後の試験をする中で出てくる問題点もあり、それを解決するために細かな調整を繰り返し行ったり、必要であれば図面の内容を変更して改善したりすることが多々ありました。
そもそも、入社後3か月程度での業務ということもあり、作図から現場立会まで多くの作業が初めて体験するものでした。
当然のことながら、ほぼすべての業務が大変でしたが、最も大変だったことは、この組み立てと試験時に、必ずと言っていいほど出てくる調整の業務でした。
うまくいかないことも・・
一例をあげると、最終的に2つで1セットとして使用する機構組立品があり、それぞれの組立品は問題なく完成していても、その使用状況を模擬した試験(組み合わせて動かす)をするとうまく連動しない(ずれが生じる)ことが多々起こります。
それらのずれは、わずか1mm以下の小さなものですが、それぞれの組立品を微調整、再度試験を繰り返し、許容できるずれの範囲になるまで実施します。
そして、それが複数セットあり、それぞれが一様のずれ、挙動を示さないので、毎回一からの調整となりました。同じ作業を何度も繰り返さなければならずとても大変でした。
打ち上げ成功!
最後に、この衛星は、特に大きな問題が起きることなく無事に宇宙に打ちあがり、現時点ではすでに寿命により運用を終えています。
具体的に言うことはできませんが、テレビでも大々的に取り上げられて、その衛星が撮影した画像を見たときは、非常に感慨深いものがあり、この衛星に関わることができて本当によかったと思える瞬間でした。
By nagata
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